知らない、映画。

在英映画学部生のアウトプット

【留学情報】志望校の調べ方・大学選びの方法(イギリス)

27 (Fri). May. 2022

留学をする決意が固まったのなら、次は具体的にどの大学に行くのか決めなくてはならない。

カリキュラムの特性や教授陣、土地柄、それから特に理科系の勉強をする人では施設の設備等を精査し、予算などとの兼ね合いで志望校を選択することになる。

志望する学部であったり、渡航する国の学制によっても異なるのだが、概ね準備には一年程かかると思って頂きたい。よって調査は一年程前から開始することを勧める。

管理人はイギリスに留学をしている訳だが、その経験も踏まえながら今日は大学選びについて紹介する。

Oliver Masucci and Franziska Wulf in Look Who's Back (2015)

渡航国の選択

先日の記事で述べた様に留学をするのであれば、周囲と、そして自分にその大変さを強いるだけの十分な理由がなければならない。

sailcinephile.hatenablog.com

従って個人によっては、既にどの国へ行くのか決まっている場合もある筈だ。ドイツ史の勉強がしたければドイツに行くだろうし、ポーランド文学の勉強がしたければポーランド渡航するだろう。

しかし人によっては渡航国の選択から始めなければならない。管理人はその内の1人だった。映画学を専攻したいと考えていたものの、他の多くの国、特に欧米諸国では映画学部が整備されていることが多く、国の選定から悩ましいと思ったことを記憶している。

では決め手は何だったのかというとズバリ費用である。例えば映画学の中では最も有名と言えるニューヨーク大学の映画学部では年間およそ800万円が学費として必要だ。奨学金も準備されてはいるが、競争率も高く、管理人には現実的な費用ではなかった。

おまけにニューヨークでは生活費も高くなる。学費と生活費を合わせて考えた時に、現実的な選択肢はどこなのか。自分で予算をあらかじめ設定し、調査を進めることをお勧めする。

イギリスはその点比較的良心的だと言えると思う。学費もどの大学でも基本的に200万円程度が基本で、上下50万円程度の振れ幅がある。勿論安い金額ではないし、例えばコペンハーゲン大学で映画学を学ぶ場合その学費が84万円程だ。しかし生活費がデンマークではずっと高いことを考えると、一概にデンマークに行くべきとも言えないだろう。

またロンドンで学びたい場合家賃等も高くなるが、都市部から離れれば学費・生活費共に安くなる傾向になる。とは言え受ける教育の質も落ちてしまっては元も子もないため、そこはバランスを見て考える必要がある。

他にも治安であったり、得意な言語であったり条件は色々あると思う。折角海外に行くのだから、勿論観光だってしたいだろうし、そうしたことも合わせて自分に最適な国を選んで欲しい。

志望校の選択

志望校の選択に当たってはおおよそ1ヶ月近く要すると思って頂きたい。管理人は渡航一年前の8月くらいから調査を始め、志望校が確定したのは9月頃だったと思う。インターネット上では大学を紹介するサービスを手掛ける業者も見られるが、管理人個人としては彼らの手助けを借りるべきではないと思う。理由は後述する。

順序として管理人は一番最初に、英国の大学ランキングを作成することから始めた。TIMESの大学ランキングが最も有名だと思うが、その他にイギリスでは新聞紙なども大学ランキングを作成しており、それらを参考にどの大学の映画学部が評価されているのかを調査した。

ランキングが完成し、それぞれの大学の立ち位置が理解出来たら、次は各大学の特色を調べる作業だ。研究を主に行っている大学なのか、それとも実習の時間を増やし就職活動に力を入れている大学なのか。論文の発表数はどれ位か。留学生を積極的に受け入れている大学なのか。設備はどの様な設備があるのか。こうしたことを1つずつ調べていった。

管理人が求める大学は実践的に映画制作が学べ、かつインターンシップや就職活動のサポートに熱心な大学だった。留学生が多く、費用も安ければ良いと思ってはいたが、主には上の2つを条件とした。ざっと100校程がランキングされていたから、その中から求める条件に合う15校程にこの時点でピックアップしていった。

ある程度数が絞られたら、今度はより詳しい調査をしていく。基本的にどの大学でもモジュール(指導要綱の様なもの)やシラバスが公開されており、在籍する教員とその専門分野もインターネット上で閲覧可能になっている。これらを基にカリキュラムの特性(座学メインなのか実践メインなのか)や、教員の優秀さなどを測っていく。

管理人は日本の大学に2年間在籍していたこともあり、研究よりも実践に重きを置いていた。研究をするだけなら日本に居ながら個人の努力で出来る話である。求めていたのは本格的な設備で実際に映画を制作する経験だった。その為講義は勿論、成績評価の面でも最も実践面を重視する大学を優先した。

更に当時は日本の大学に在籍していたのだが、管理人の通っていた大学の図書館が論文検索サービスを運営していた。これは大学図書館が各国の大学や機関と提携して情報提供を受け、論文等の資料をオンラインで閲覧出来る様に出来るシステムなのだが、これを管理人は大いに活用した。各大学の教員名を打ち込んで検索し、どの様な論文がヒットするのか。またはどれ位ヒットするのかを調べていった。それによって専門性の高さや、教員のレベルが知れると思ったからである。

そうした調査を1ヶ月くらい実施し、最終的に5校まで志望校を絞り込んだ。イギリスの入試システムでは5校まで選択できるのだが、他の国に行く場合でも大体5校位は考えておくべきだと思う。

殆どの国の大学は、英語でシラバス等を公開している。更に言えば留学生向けにファウンデーションコース(大学で学ぶ準備の為に1年間予科を設ける仕組みのこと)があったり、英語のみのコースを提供している大学も多い。

今やどの国の大学であっても英語で調査することは出来るし、調査方法も大きくは異ならないのである。

よって今回は英国を中心にお話ししたが、各国に汎用性のある内容だと言えると思う。

紹介サービスは信頼できるか

最後に、紹介サービスの問題である。端的に言って、管理人の意見としては地道に上記の様な手順を踏むべきだと思う。

理由としては癒着とまでは言わないが、紹介業者と大学との間にある種の関係性は存在している筈で、必ずしも貴方が求める教育やレベルの大学が必ずしも紹介されるとは限らないからだ。

何度も繰り返すが、目的がなければ留学に行くべきではないと思う。少なくとも積極的には勧めない。何故なら調査だけでも大変な労力を要するからであり、それらの苦労は目的の達成の為にあるということを知っているからだ。

そして貴方が留学を志すだけの目的を持っているのであれば、志望校は業者が紹介する限られた範囲の大学のみから選ぶのではなく、きちんと労力をかけて自分で選択するべきだ。

仮に優秀で善良な担当者に当たれば、貴方の知らない素晴らしい大学を紹介してくれるかも知れないし、インターネットだけでは手に入らない情報を教えてくれるかも知れない。だから紹介業者を使うことは悪だとは思っていない。

ただ飽くまで話は参考程度に聞くべきで、最終的な意思決定は自分でするべきだ。これは交換留学でも同様である。教員のアドバイスも聞くべきだが、最後は貴方が自分で意思決定しなければならない。

 

複数年間を過ごす大学なのだから、その決定に当たっても慎重になるべきだし、通う大学は自分が納得できる大学であるべきだ。

本記事と、管理人の志望校決定の仕方が何かの参考になれば幸いである。